最近の葬儀事情について

基本的な葬儀の流れ

大事な家族には、いつまでも元気でいてほしいものですが、そんな願いに反して、いずれは別れる日が来ます。いずれ喪主として葬儀を行う必要が生じた時のために、今から流れを把握しておきましょう。

基本的な葬儀の流れ

1、搬送・安置

ご遺体は、亡くなってから24時間が経過しなければ火葬することができません。医師に「死亡診断書」を発行してもらったら、遺族は、葬儀社に連絡をとって、ご遺体を安置専用施設に搬送してもらいます。発行してもらった死亡診断書は、葬儀担当者に渡すことで、「死亡届」や「火葬許可証」などの発行手続きを依頼できます。

2、納棺・通夜

納棺は、逝去日の翌日に行う、ご遺体を送り出す儀式です。その後は、通夜を行います。受付の際、喪主は参列する方達の挨拶に対応し、20分前には遺族とともに着席します。僧侶の読経が終わったら、喪主・遺族・参列者が、順に焼香します。その後、僧侶の退場を見送って、通夜は終わり、参列者をもてなす通夜振る舞いに移ります。

3、葬儀・告別式・出棺

通夜の翌日午前中に行います。僧侶が入場し、読経の後、弔辞・弔電の紹介をします。紹介が終わったら、通夜の時と同じ順で焼香します。僧侶の退場後、出棺が行われます。生花を故人の周りに飾った後、棺の蓋を閉め、喪主から順にくぎ打ちをして、寝台車に乗せます。

4、火葬

通夜翌日の午後に行います。火葬には1時間ほどかかるので、この間は全員、控室で待機します。火葬が終わったら、喪主から血縁の深い順に、遺骨を骨壺に移します。これを「骨上げ」と言います。骨上げが終わったら、骨壺と埋葬許可証を受け取りましょう。特に、埋葬許可証は納骨の際に必要です。

納骨は、個人の墓に入れるほか、法事・管理を行ってくれる「永代供養墓」や、お墓と異なり遺骨を土に埋めずに管理する「納骨堂」の利用する方法が増えています。中には、「永代供養」のシステムを取り入れた納骨堂もあります。たとえば、東京にある納骨堂「早稲田納骨堂」がその1つです。早稲田納骨堂では、33回忌までは骨壺をそのまま預かってもらうことが可能です。預けた遺骨は、いつでも個室で参拝できます。

5、還骨法要・初七日法要

還骨法要では、僧侶による読経と、焼香を行います。近年は葬儀自体が簡略化され、実施されないケースも増えています。行う場所は斎場・寺・自宅・仕出し料理店などです。

初七日法要は、通常は逝去した日から7日後に行われる法要です。亡くなられた日を1日目と数え、命日も含めて7日後と数える点にご注意ください。初七日法要では、故人にお供え物をし、経を読んで、故人を思い偲びます。近年は「繰り上げ法要」と言って、葬儀の日に初七日法要まで終わらせてしまうケースが一般化しつつあります。

6、精進落とし

葬儀当日最後の儀式です。僧侶や、葬式で世話になった方を呼び、会食を開いて労います。この時、喪主は、参列者に対して挨拶をする必要があります。

以上が、亡くなった日から葬儀が終わるまでの、およそ3日間の流れです。このほか、挨拶時の文面や会食時の席順など、調べておいたほうが良いことは多くあります。特に、ご高齢の身内がいる方などは、いずれ訪れるだろう日に備えて、早めに詳細を確認しておきましょう。